みなさんはカラオケにおいて「オク下(おくした)」という言葉を聞いたことがありますか?
オク下のオクとはオクターブ。
つまり原曲の1オクターブ下の音程で歌うことをオク下と言います。
1オクターブが何か分からない人に説明するために、まず下の鍵盤画像をご覧ください。

ピアノの鍵盤をドレミの順で叩いていくと、「ド」レミファソラシ「ド」というふうにド~シで一巡してまたドからスタートします。
この低い位置のドと高い位置のドがちょうど1オクターブ離れているということです。
つまりオク下で歌うということは、音自体は合っているものの原曲より低く、少し暗いイメージになるということです。
ネット上では「オク下 ダサい」「オク下 盛り上がらない」などの検索候補が出てきます。
しかし個人的にはオク下で歌うことは全く悪いことではなく、むしろ自分の音域に合わせて歌えるのでいいのではないかと思っています。
一方で問題なのが「無自覚オク下」です。
これは例えば男性が「オレ男だけどYOASOBI原曲キーで歌えるよ!」と言いながらも、実際に聴いてみると1オクターブ下で歌っていたというパターンです。
つまり自分がオク下で歌っていることに気づかず「高音を出せる自分すごい!」状態になってしまうと、周りから「え?出せてなくね?」と違和感を与える原因になります。
そこで今回の記事では、オク下が与える印象や、なぜ「ダサい」と言われてしまうのかについて解説し、「自分は無自覚オク下かもしれない…」という人に向けてセルフチェック方法を教えます。
最後まで読んでもらえればオク下を武器として使えるようになり、カラオケで歌える曲の幅もグッと広がるはずなので、ぜひお読みください!
1. なぜオク下は「ダサい」と言われるのか?
ではなぜネット上では「オク下 ダサい」と言われがちなのでしょうか。
その原因は大きく分けて3つあります。
①原曲とイメージが変わってしまう
まずひとつ考えられるのが、「原曲と比べて暗い印象になるということ」です。
例えばMrs.GREEN APPLEの『ライラック』だとどうなるでしょうか。
私の歌声で恐縮ですが、パターン1・2を聴き比べてください。
パターン1(原曲キー)
パターン2
どうでしょうか?
オク下Ver.は少し盛り上がりに欠けると思いませんか?
男性曲は原曲キーから1オクターブ下げるとかなり印象が暗くなります。
特にミセスなどはボーカルの声が高いので曲調もそれに合わせて作られています。
そのため低くすると曲の明るさが失われることになります。
一方で低音の救世主・福山雅治の曲などは、多くの男性が原曲キーで歌えると思います。
つまり歌手は音域に合わせて最適な曲調で作っているため、1オクターブ下げることで「あれ?」という違和感を産み出してしまうのです。
②「無自覚オク下」の存在
次に考えられるのが「無自覚オク下」でドヤってしまうことです。
むかし私の知人にもいました…
鏡音リンの『炉心融解』を原キーで歌えるという男性が。
いや普通に考えてオク下ですよね。
もしこれを原キーで歌えるならこんなところでくすぶってないで歌手デビューしてください…。
というように、実はオク下で歌っているのに本人は原曲キーで歌えてると思っているパターンは少なからず存在します。
例えば最近は上で例に挙げたミセスをはじめ、King Gnu、髭男など、高音域を多用する男性歌手が多くなっています。
そこであなたが女の子の前で「オレ、キングヌー原曲キーで歌えるよ♪」とドヤった挙句、低い声で歌い上げてしまうと、「痛い」と思われる可能性大です。
③音痴だと思われる
3つ目は、知らず知らずのうちに「無自覚オク下」になっているパターンです。
つまり自分の音域がどのくらいかを分かっていないということです。
これはシンプルに音感が無い(音痴)とみなされる可能性があります。
もちろんオク下で歌うことで誰に迷惑をかけているわけではないので、全然問題はないです!
これを聞いて「自分オク下かも…」と不安に思った方に向けて、ここからはセルフチェック方法を紹介するのでぜひ試してみましょう。
2. オク下かどうかセルフチェックする方法
ではここからはあなたがオク下になっていないか確認する方法について解説したいと思います。
①男性曲があまりに低いと感じる
男性が男性ボーカルの曲をオク下で歌った場合、その曲の最低音は逆に低すぎて出せない場合があります。
例えば先ほど私が歌ったオク下Ver.の『ライラック』を聴いてみましょう。
サビの最後の歌詞「大人になっていくんだろう~♪」の部分がかなり低く歌いづらそうなのが分かるでしょうか?(実際かなり歌いづらいです!)
このように歌っていてあまりにも低すぎないか?と思う場合は、オク下になっている可能性が高いです。
実際、ミセスが元々が高い曲なのでオク下でも歌えてしまうのですが、例えばポルノグラフィティやback numberなどの曲が低すぎると感じる場合はオク下になっているかもしれません。
②曲の最高音が楽に出せる
逆のパターンで、本来高くて普通の人には出せない音程なのに楽々出ている場合もオク下を疑った方が良いでしょう。
同じくミセスの『僕のこと』という曲を例に挙げてみます。
一番のサビの歌詞「治りきらない傷も~♪」の「も~♪」の部分に注目してください。
普通の男性ではなかなか難しい部分ですが、ここを楽々出せているようであればオク下の可能性大です。
実際私もかなりこの曲を練習していますが、最高音をきれいに出せるようにはなっていません。
少し専門的な用語になりますが、hiCやhiDの音域を楽々出せるという人は、かなりの歌うまか無自覚オク下だと思います。
ちなみにhiAがレミオロメンの『粉雪』の、「こなぁ~ゆきぃ~♪」の「なぁ~」の部分です。
※ABCDEFGの順に高くなっていきます。(Gの後はまたAに戻る。)
③音域チェックアプリを使う
もっと確実にセルフチェックする方法もあります。
それは音域チェックアプリを使うことです。
私もボイトレをするときに使っています!
今はスマホの無料アプリでも十分に自分の声の高さを図ることができます。
ちなみに私が使っているアプリは「音程チェッカー」というアプリです。

このアプリを使って『粉雪』の最高音を正しく歌うと次のようになります。

これが1オクターブ下がると次のようになります。

分かりづらいかもしれませんが、上の画像ではhiAになっており、下の画像ではmid1Aになっています。
同じ「ラ」の音でもオク下の場合はこうなります。
このようにアプリを活用すれば確実に音程を測ることができるので、自宅などで簡易的に測りたい場合は活用してみてください。
3. オク下を恐れずカッコよく歌う方法
ここまでどういった場合にオク下がダサいを思われるか、また、自分がオク下になっているかチェックする方法について解説してきました。
そもそも個人的にはオク下は悪いことではなく、むしろ自分のキーに合わせて歌う方が楽しいし、聴いている側も聴き心地が良いと思います。
そこでここからはオク下を含め、カラオケで声の高さ(低さ)に悩んでいる人に向けて、よりカッコよく歌うコツについて紹介しておきます。
①キーを変更する
まずキーはガンガン変更して歌いましょう。
たまに厄介な「原曲キー厨」がいますが、そんなのは無視しましょう。
原曲キーにこだわってそのオク下でボソボソ歌ったり、逆に地声で無理に張り上げて喉を傷めることに比べれば、キー変更の方が100倍マシです。
キーを1、2個下げて歌ってみてちょうど良ければそれでいいですし、どうしても原曲キーで歌いたい場合も低いキーから徐々に練習するべきです。
また、男性で女性曲を歌いたい場合は、「その曲のキーを4つ上げてオク下で歌う」とちょうどいいと、”冬の女王”こと広瀬香美さんの著書で読んだことがあります。
ぜひ試してみましょう。
②選曲を見直す
そもそもの選曲から見直すのも手です。
世の中には低音でも迫力のある曲は無数にありますし、あなたの声質に合う曲を探した方が近道の場合があります。
例えばスピッツの草野マサムネさんのようにクリーンな声質を得意とする歌手もいれば、B’zの稲葉浩志さんのようにシャウトが得意な歌手もいます。
両方を歌い分けできれば理想ですが、それはないものねだりに近いものがあります。
意外と自分の好みの曲と声質が合う曲は違う可能性があるので、ぴたっとハマる曲が見つかるまで食わず嫌いで色々歌ってみることをオススメします。
なお男性に向けた記事にはなりますが、低音しか出ない人に向けたオススメ歌手&曲を紹介した記事を書いていますので、ぜひ参考にしてください。
③ボイトレする
3つ目はボイトレをすることです。
即効性はありませんが、長期的に見るとカラオケがとても楽しくなります。
実はミセスをはじめとする最近のハイトーン歌手たちは、裏声やミックスボイス(裏声と地声を滑らかにつないだ声)を活用しています。
これらの技術はやはりボイトレを積む必要があります。
私自身も独学ではありますが日々ボイトレに励んでいます。
ボイトレをすると歌える曲の幅がかなり広がります。
歌が上手くなると友達や会社の人とカラオケに行ったときに優越感に浸れるので楽しいです。
方法としては独学かレッスンを受けることになります。
右も左も分からない人はまず体験レッスンを受けてみるといいでしょう。
私もはじめはレッスンを受けており、ある程度上達してコツをつかんでから独学に移行しました。
レッスンのメリットはプロのトレーナーに自分の歌声を聴いてもらえることです。
先ほどちらっと話に出したミックスボイスはとても繊細です。
正直自分では出せているのか判断することは難しいです。
レッスンに通うとミックスボイスの出し方から判定までマルっとやってもらえますし、変な癖がつく可能性も低いのでおすすめです。
まとめ
今回はオク下について解説しました。
改めておさらいしますと、「オク下は悪ではないが、無自覚オク下は恥ずかしい思いをする可能性がある」とまとめることができます。
自分の音域を把握したうえでオク下やキー変更を活用するのは、むしろカラオケを楽しむうえで必要なスキルと言えます。
なので大切なのは、まず自分の音域を知り、それに合った曲を歌うことです。
そのためには上で紹介したアプリを使ったり、ボイトレしてみることをオススメします。
オク下やキー変更を効果的に使えるようになると、歌える曲の幅がグッと広がるので、カラオケをもっと楽しむことができます。
原曲キーが正しくてオク下は正しくない、なんてことはないので、自分に合った音域でカラオケを全力で楽しみましょう!



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